すみながし

引っ越しを控えているのに本棚は減らせないまま増える一方

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

また入院に持っていくなら―茨木のり子『詩のこころを読む』

入院のカバンに入れる本 私の初めての出産は、決められた日に入院しての誘発分娩だった。 経験もなく、忙しいのか、暇なのかよくわからないので、とりあえず本を一冊持って行くことにした。 そこで、入院に持って行くのにうってつけの本とは何かを考えた。 …

120年、変わったことはなんだろうか―シャルル・ヴァグネル『簡素な生活』

近頃流行りのシンプルライフ本ですか?―いいえ、1895年に刊行された本です。 新訳(『簡素な生き方』)が出ているが、旧訳の方を手に取る機会があったので、紹介するのは講談社学芸文庫版。 簡素な生活 (講談社学術文庫) 作者: シャルル・ヴェグネル,大塚幸…

時が解けて新しく紡がれる―清川あさみ・最果タヒ『千年後の百人一首』

レモンサワーとブランケット 最果タヒの詩を読むといつでも、夜、外にいてレモンサワーを飲んでいる気分になる。 星は小さくまたたいて、やさしい風が顔に向かって吹いてきて、ほんのりと柑橘の香りが漂う中、喉に炭酸が弾けて、ヒリヒリとアルコールが流れ…